- 家族に借金があるとわかったとき、真っ先に取るべき手段はなんだろう?
- 債務整理って具体的にどんな方法があるの?
- このままじゃ家族が壊れちゃう…どうにかして解決したい。
2017年のお正月、夫に借金があることがわかりました。
混乱している中、どのように対処してきたか、私の実例とともに紹介します。
結論から言うと、自力で解決しようとせず、司法書士や弁護士などのプロに相談したのが正解でした。
この記事を読めば、家族の借金がわかったときの初動の対応と、その後の取るべき道がわかりますよ。
借金返済|まず現状把握からスタート
借金は、利子が大きなウェイトを占めるので、一刻も早く返済を…と急ぐ気持ちはわかります。
闇雲に返済を急ぐ前に、まずは現状の把握をしましょう。
- どこに、いくら借金があるのか
- 借金はいつから始まったのか
- 月いくら返済しているのか
- 返済のうち、元本がいくらで、利子がいくらなのか
夫は自分の借金がいくらなのかわかっていなかった
夫の借金が発覚した当時、夫は、自分の借金について全く把握していませんでした。
借金に追われるままに返済して、また借りて…の繰り返しで、完全に思考能力を失い、麻痺していたのです。
借金の実態がわからなくなることが、多重債務者になる第一歩であり、転落の始まり。
あとで調査したところ、夫の借金総額は約420万円、借入先は4社ありました。
- 三井住友銀行(カードローン) 1,552,300円
- プロミス 2,224,712円
- ジャックス 312,700円
- UFJニコス(クレジットカード) 120,298円
- 合計 4,210,010円
借金の相談は、債務整理のプロ、司法書士事務所へ
私は、司法書士事務所の無料相談に申し込みました。
相談だけなら本当に無料。いろいろと案内されることはありません。
お話を聞いた上で、家計の見直しや節約だけでもなんとかなりそうなら、それでもOK。
もし、夫の借金が、貯金をはたけば一括返済できる金額なら、そうしていたかもしれません。
しかも、夫が返済していた金額のうち、半分が利子という状態。
「家族だから大丈夫」ではなく、信頼を築くために財産は分ける
結婚当初、私と夫の口座からそれぞれ毎月引き落としになる費用の配分を決めました。
収入比と同じくらいの、夫6:私4の割合。
- 夫の口座…住宅ローン、光熱費、家のネット通信費、夫の携帯代
- 私の口座…食費、日用品、子どもにかかる費用(保育料・学童保育・習い事)、自分の携帯代
しかし、夫の口座から引き落としできなかった電気代や、夫が払っていなかった固定資産税など、たびたび私が払っていて、配分が崩れていました。
借金があるとは知らず、なんの抵抗もなく…今にして思えば、借金の可能性を少しでも疑うべきでした。
本当は、借金のせいで払えていなかったのに、当時は夫の言い訳を信じ切っていました。
借金は本人のお給料から返済できる計画を
借金を繰り返すのが癖になっている人は、家族や周りの人に返済を手助けしてもらってきた人が多いもの。
自分が何もしなくても、誰かがなんとかしてくれるだろう…という心理。
今後くり返させないために、夫のお給料から返済させる!私のお給料からは出さない!と固く誓いました。
そもそも、夫の借金なのに、私のお給料も返済のあてにされるのは…どう考えてもおかしい!
債務整理のパターンは4種類|持ち家を手放さない方法もある
借金が返せなくなったとき、取れる手段はいくつかあります。
- 自己破産
- 個人再生
- 特定調停
- 任意整理
司法書士さんに相談すると、債務状況や生活スタイルに応じて、ベストな手段を提案してもらえます。
1000万以下の借金なら、個人再生か任意整理が一般的。
条件次第では、持ち家を手放さなくても済む方法もありますよ。(一軒家・マンションとも)
自己破産|他の手段ではどうしても返済できない場合に
自己破産は、どうしても返済できない場合の最後の手段。
必要最低限のものを除いて、持ちうる財産を全て処分・換金して、返済に回されます。
免責許可を受けることで借金を免除してもらえるので、文字通り借金がチャラになりますが、車も家も手放すことになります。
しかし、カードローン等の借金で数百万円のレベルなら、自己破産までしなくても、解決できる方法もありますよ。
特定調停|裁判所で調停を行い、返済期限などを設定する
特定調停は、裁判所で調停を行い、債務者(借りてる側)と、債権者(金融業者)が合意をして解決します。
返済していくことが前提ですので、収入がない・返済の目処が立たない場合には応じてもらえません。
個人再生|再生計画案をもとに借金を減額
個人再生は、借金のある人が、収入や支出の見直しを行って、再生計画案を出します。
裁判所が認可すれば、借金が約5分の1(残債の約20%)に減額されます。
我が家は、個人再生を選ばず、任意整理にしました。
裁判所で認可されなかったり、債務者(金融業者)が応じなければ却下される可能性があるから。
再生計画案には膨大な書類が必要で、個人では難しく、司法書士さんに依頼することになります。
担当の司法書士さんのこれまでの経験から、我が家の収入と残債のバランスを考えると、通るかどうかは五分五分と言われました。
本当に困窮していたら、認可される可能性が高いんです。
我が家は、私の収入もあるので、裁判所から「個人再生しなくても払えますよね?」と却下されるかもしれないと。
私が「自分のお給料からは出さない!」と思っていても、裁判所からは「世帯収入」として見られます。
任意整理|最も多いケース!借金の元本のみを分割で返済
任意整理は、裁判所を通さずに、債務者(借りてる側)と、債権者(金融業者)が話し合って解決するもの。
多くの場合は、利子をチャラにして、元本のみを分割で返済していく計画になります。
金融業者にとっては、自己破産されて借金が回収できないのがいちばん困るんです。
そのため、利子がとれなくても、元本だけでも返済される任意整理には、応じてもらえる可能性が高いのです。
3年(36回)が通常ですが、交渉して延長してもらうことも可能。
どちらにしても返済する総額は変わりませんが、我が家は月々の返済金額が厳しかったので、長期分割にしてもらいました。
- 3年…450万÷36回=12万5000円/月
- 5年…450万÷60回=7万5000円/月
- 8年…450万÷96回=4万6875円/月
我が家は、8年分割で合意しました。
この先、子どものための貯蓄も並行していかないといけないので、返済しながら貯蓄するために、月々の返済額を抑えました。
返済が滞るのは絶対NG!債務整理の権利を失います
任意整理の期間は、3年・5年など短いほうが、早く完済できます。
でも、毎月のことなので、コンスタントに返済できる無理のない金額にしないといけません。
任意整理したにも関わらず、2ヶ月以上返済が滞った場合には、分割の権利を失い、残債を一括で返済する義務が発生します。
これを、期限の利益喪失といいます。
これでは、せっかく任意整理をしても元も子もないので、慎重に計画しましょう。
140万円を超える借金は、司法書士から弁護士に接続
任意整理は、金融業者ごとに別々に行います。
そのうち、司法書士が直接対応できるものは、債権額が140万円以下のもののみ。
我が家の場合、三井住友銀行カードローンとプロミスは140万円を超えていました。
司法書士さんから、提携の弁護士事務所に委託して、ひとまとめに対応して頂きましたよ。
債務整理後の流れ|返済を一時的にストップできる!
司法書士さんに介入してもらうと、金融業者に「受任通知」を送ってくれます。
それにより、返済を一時的にストップさせることができます。
任意整理は裁判所を通さないので、個人で申し立てることも可能。
でも、相手の金融業者のこれまでの対応実績などを考えて作戦を練ってくれるので、安心です。
債務整理のデメリットは、メリットにもなる
返済期間+5年は、信用情報に債務整理した事実が残ります。
信用情報がブラックだと、追加の借金ができません。
長期に渡ると、その期間の分だけ、他のローンが組めない・住宅ローンの借り換えができないのがデメリット。
消費者金融も、貸したお金が返ってこなければ困るので、必ず信用情報は閲覧します。
家族が隠れて借金をしてしまう場合、カードを取り上げても不安ですよね。
私の場合、任意整理の期間が長いおかげで、むやみに疑う必要がなくなるのは助かりました。
家族の借金がわかったら|家庭が壊れる前に相談しよう
私は、こうと決めたら即行動するタイプなので、夫の借金発覚から3日後には、司法書士事務所の無料相談へ。
夫は、私に借金のことを言えなくて、自力で返済しようとしていました。
私は、そんな夫と同じことにはなりたくなかったんです。
もし、借金を家族に黙っている方がいるとしたら、なるべく早く、正直に打ち明けてください。
隠している期間が長ければ長いほど、家族は傷つき、自分を責めます。
信頼を取り戻すことは、もしかしたら一生できないかもしれません。
それも、もとはと言えば自分が引き起こしたこと。
誠心誠意謝って、努力して、一生償うつもりで、家族に協力を仰いでください。
ここまできたら一人では絶対にどうにもならない、と、そろそろ薄々気づいてきているはずです。
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夫6:私4の割合で家計管理をしていましたが、結果的には夫の借金を気づけなかった苦い経験。
その原因を、西原理恵子さんのマンガと絡めて考察しています。
借金返済をしつつ、将来に向けての資産を作らないと、子どもの教育費の準備ができません。
完済しても、その先の人生は続くので、投資も並行していますよ。