長男が不登校になってから、親として取るべき態度や、言ってはいけない言葉など、自分なりに勉強しました。
だけど…言いたいことも言えないなんて、イライラする…。
親だって、人間です。感情があるし、考え方だって人それぞれ。
それなのに、不登校の子どもを持つ親へのアドバイスは、綺麗事ばかり。
こういうクソみたいなアドバイスを、クソバイスっていうんだよ。
- 子どもを受け入れてあげて
- 否定せず、話を聞いてあげて
- 親が絶対的な味方だという安心感が大事
- 問い詰めてはいけない
- 子どものために親が変わらなくてはならない
子どものためなんて、言われなくても考えてるのに…。
さらに追い打ちをかけてくるね。
この記事では、そんなストレスを抱えた、不登校児の親の気持ちを、本音で語ります。
通信制高校の情報を発信されている、Re:high-schoolさんに寄稿させていただきました。
長男の不登校の原因は不明。理由なき不登校
長男には、不登校になったきっかけは特に見当たりません。
本人は、「お腹が痛い」としか言わず、病院で検査をしても、特に身体の異常は見当たりませんでした。
環境の変化や、勉強のストレスが原因なのかもしれません。
いじめなどの、明らかに他者に責任がある不登校ではないので、余計にモヤモヤが募ります。
勉強が苦手だし、精神的な不安から、お腹が痛いって言って不登校になっているのかな…。
長男は、小学校1年生のときに、学習障害かもしれないと言われ、発達の検査を受けました。
当時診てもらったご縁のある、小児神経科・児童精神科の先生に診察してもらいました。
みんなが子どもの味方をすることで、私が傷つく
学校の先生も、塾の先生も、児童精神科の先生も、みんな子どもの味方をします。
それは、彼の心の傷を癒すために、必要なことなのかもしれません。
ですが、長男を肯定しようとすると、過去の私が否定される場面があります。
例えば、長男が学校を休んで、家でゲームばかりしているとします。
私は「やるべきことをやってから、ゲームなどの楽しいことをやろう」という主義です。
ですが、児童精神科の先生は、子どもに共感して、同意するスタンス。
そりゃ、学校休んで暇やったら、ゲームくらいしたいよなぁ。
それを横で聞いていて、なんとも言えない気持ちになるんです。
私だって、楽しいことだけやらせてあげて、ちやほやしていて良いなら、そうしたいよ…。
甘やかすだけなら、簡単なこと。
だけど、子どものしつけとか、将来を思うからこそ、それだけじゃダメだと思って、これまでやってきました。
先生だかなんだか知らないけど、私たちの過去を知らないくせに…。
児童精神科の先生は、子どもの心のプロです。
状況を改善するために、助けてもらいたくて受診したのは私なのに、勝手なこと言ってるのは承知の上。
でも、私だって、自分なりのベストを尽くしてきたつもり。
今の一瞬だけを見て、否定するようなことを言われると、なんだかじわじわ傷つくんです。
理解してあげてって言われても、理解したくない
私は、風邪などで学校を休むなら、お出かけも楽しいこともせず、回復に専念すべきだと思っていました。
今だって、本当は、こう言いたいです。
学校に行かないなら、家で寝ときなさい。ゲームもなし!
ですが、学校の先生にも、児童精神科の先生にも、今の不登校の状況では、逆効果だと言われました。
このまま何もしないと、引きこもりになってしまうので、外の世界や社会との接点を持たせないといけないと。
平日でも休日でも、何かしら理由をつけて連れ出したほうがいいそうです。
ゲームをしててもいいし、映画に行ってもいいし、公園で遊んでもいい…。
でも、私にはどうしても納得できないんです。
そんな元気があるんだったら、学校に行けばいいじゃない?
なんだか後ろめたい気分…。
不登校だからって、全てを禁止するのは良くないって、頭ではわかっています。
だけど、真面目に学校や会社に行っている人がバカみたい。
大人だって、疲れが取れないとか、どこかしらしんどいと感じながら、毎日仕事に行っています。
体調が万全という日は、年に数日もない気がするけど、それでも会社には行くもん。
比べるものじゃないって、わかってるけどさ…。
ちゃんと学校に行っている次男への影響が気になる
次男は、お兄ちゃんが、学校を休んで好きにゲームしているのを見ています。
朝眠くてぐずったり、遅刻気味だったり、なんだかんだ言いながらも、頑張って学校には行っています。
しかも、私が留守の間に、長男にいじめられて、理不尽な思いをたくさんしています。
犬の散歩をひとりで行けと押し付けられたり、ゲームを独占されたり…。
それなのに、次男は、「兄ちゃんが怒られると思って…」と、私にはしばらく黙っていました。
他愛もないことといえば、そうなんだけど、我慢していたのはかわいそうかも…。
こんな目にあっていても、お兄ちゃんが好きで、一緒に寝たがるし、「兄ちゃんがお腹痛いの、かわいそう」と真剣に心配しています。
そんな、次男への影響も考えなくてはいけません。
実際、長男が羨ましかったのか、1日だけ学校を休みました。
理由は、長男と同じで、「お腹が痛い」だったけど…。
本当かどうかは、いったん置いといて。
やっぱり、長男の影響なのかなと思ってしまいます。
その日も、私は仕事で不在で、子どもたち二人だけで家にいたのだけど、長男のひどい仕打ちをあとで聞きました。
次男に対して、「学校の時間割通りに、家で勉強したら?」とか「治ったなら、昼からでも学校に行けばいいやん」などと言うそうで…。
自分だって、学校休んでるくせに、どの口でそういうこと言うわけ?
多少、次男が自分の都合のいいように話している可能性は、もちろん折り込み済み。
それでも、どうしても、次男のほうが不憫に思えてしまいます。
それにひきかえ、長男…ひどくないですか?
自分が言われたら嫌なことを、なんで次男には言うんだろう?
休みの日は元気でも、平日は学校に行かない
引きこもりにならないためにも、休日は家族で出かけてみました。
ここ最近、家族全員でのお出かけってあまりしていなかったので、私も夫も純粋にワクワクしていました。
ボウリングとか、釣りとか、長男の好きそうなことを、みんなで楽しみました。
長男は、喜んでついてきて、しっかり歩くし、たくさん笑ったりしゃべったりします。
だけど、「今、お腹どう?」と聞くと「んーー、痛いのは痛いけど…」と濁します。
治ったと言ったら、「明日学校行けるね」とか言われると思っているのでしょう。
まあ…言っちゃうかもね…。
でも、どう見ても、元気そのもので、お腹が痛い人の行動や仕草じゃないんですよ。
いや、別にいいんですよ?
お腹が痛くないなら、それに越したことはないからね?
うつ病の人だって、休みの日は元気だったりすると聞くので、精神的なものからくる体調不良って、そういうものなのかもしれません。
だけど、家族で遊んだ帰り道、「きっと、明日も学校に行かないんだろうな」と思います。
「楽しかったな」という感想よりも、「期待してはいけない、きっと裏切られる」という気持ちのほうが強く、切実です。
長男の楽しめることを考えて、少しでも外に出てほしいと思って、いろいろ工夫しても、やっぱり何も変わらないんだな。
日曜日の夜に「お腹が痛くなってきた」と言われると、翌日、学校を休むための布石に感じてしまいます。
何も言わないで我慢しているけど、心配よりも先に、正直、がっかりします。
母親失格だと言われたとしても、そう思っちゃうんだからしょうがないもん!
結論を急いではいけないって言うけど、ゴールがわからないから不安になる
親が結論を急ぐと、不登校の子どもにとってはプレッシャーになり、余計追い詰めてしまうといいます。
焦りすぎてはいけないって、いろんな人に言われます。
だけど、こんなの、いつまで続くんですか?
長男が学校に行けるようになるのは、明日かもしれないし、1ヶ月後かもしれないし、1年後かもしれない。
もしかしたら、このまま、中学校卒業するまで、高校生になっても、学校に行けない可能性もあります。
高校生にさえ、なれないのかもしれません。
そんなの、誰にもわからないよね…。
ゴールが見えないから、不安になるんです。
学校に行かない期間が長くなればなるほど、次に学校に行きにくくなるのは、長男自身です。
だからこそ、1日も早く、学校に行けるようになってほしいと願うのです。
それって親のエゴなのでしょうか?
30年経って、長男がおじさんになっても、自立できず家にいたら?
あのとき無理矢理でも学校に行かせていたらよかったのに、って思わないですか?
親だって人間。子どもに言わないけど、自分の気持ちを我慢する必要はない
もちろん、「学校に行きなさいよ」と怒ったり、「毎日お腹が痛いなんて仮病じゃないの?」と疑ったりはしません。
だけど、親だって、自分の感情があるし、仕事ややりたいこともあるし、自分自身の人生があります。
私は、自分を殺して、100%常に子どものためになんて動けません。
「無償の愛」って言葉があるけれど、実際には、私の神経をすり減らして対応しているから、無償なんかじゃない。
大事なのは、そう思ってしまう自分の気持ちを否定しないこと。
- 母親なのに、子どもの不登校にイライラしてしまう自分はダメだ
- 自分の感情よりも、子どもの気持ちを優先しなくてはいけない
私は、自分の気持ちを我慢しません。
自分が感じたままの言葉を、ブログやTwitterに書いたり、夫やママ友、会社の人に聞いてもらいます。
私がストレスを溜め込んでも、長男が学校に行くわけじゃないし…。
子どもと共倒れになったら、意味ないもんね!
親は子どもを最優先すべきなのでしょう。
だから、やるべきことを考えて、最大限やっているつもりです。
子どものために仕事を休んだり、ああでもないこうでもないと考えたり、いろいろ配慮したり…
学校の先生にも、塾の先生にも、頭を下げてばかり。
その上さらにストレスを溜めないために、無理せず自分のできる範囲で伴走していきます。
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e-sportsコースのある通信制高校への進路を考えていることを、不登校児の保護者の目線で書いています。
不登校からくる学力の心配を、少しでも改善するために、動画で学べるスタディサプリをはじめました。
過去には、習い事のサボりに悩んで、子どもの未来を信じられなくなった話を書いています。
もしかしたら、今の不登校の原因は、こういうひとつひとつが本当の意味では解決できていなかったせいなのかも…と落ち込んでしまいます。
そもそも、不登校の定義って?という方は、不登校の定義と7つの理由をご覧ください。
後日談ですが、不登校のみならず、クレジットカードを勝手に使ってゲーム課金までしていて、悪化している気がします…。